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困りごと・トラブル 2026.10.25

法人の申告期限を過ぎたらどうなる?期限後申告のペナルティと今からやること

公開日:2026年10月25日

法人税の申告期限を過ぎてしまった。前の税理士と連絡が取れなくなった、決算月を勘違いしていた、忙しくて手が回らなかった。理由はさまざまですが、期限を過ぎた法人からのご相談は毎年少なくありません。

結論からいうと、期限を過ぎても申告はできます(期限後申告)。大切なのは、気づいた時点でできるだけ早く申告することです。この記事では、法人が申告期限を過ぎたときに何が起きるのか、今からどう動けばよいかを、期限後の申告を数多く扱ってきた立場から整理します。

法人の申告期限はいつか

法人税の確定申告の期限は、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内です。3月決算なら5月31日、12月決算なら翌年2月末日が期限になります(期限の日が土日祝日なら翌平日)。法人事業税・法人住民税などの地方税も、原則として同じ期限です。

申告期限の延長の特例を受けている法人は、期限が原則1か月延びます(会計監査人を置くなど特別の事情がある法人は、さらに長く延長できる場合があります)。ただし、延長した期間については利子税がかかります。このため実務では、本来の期限(2か月以内)までに見込みの税額を納付(見込納付)し、申告時に精算するのが一般的です。

期限を過ぎると何が起きるか

1. 延滞税(納める税金がある場合)

納付期限の翌日から実際に納めた日までの日数に応じて、延滞税がかかります。割合は、本来の納期限の翌日から、期限後申告書を提出した日の翌日以後2か月を経過する日までは低い割合、それを過ぎると高い割合になります。申告後は速やかに納めることが大切です。赤字などで納める法人税額がなければ延滞税はかかりませんが、法人住民税の均等割の納付が遅れた分には延滞金がかかります。

2. 無申告加算税

期限後に申告すると、原則として納める税額に対して無申告加算税が課されます。割合は税額に応じて段階的に上がりますが、税務署から調査の通知を受ける前に自主的に申告した場合は、5%に軽減されます。また、期限から1か月以内に自主的に申告し、かつ税額の全額を本来の納期限までに納めていた場合は、過去5年以内に無申告加算税などを課されていないことを条件に、無申告加算税が課されません。

3. 青色申告の承認の取消し

2事業年度続けて期限内に申告書を提出しないと、青色申告の承認が取り消されることがあります。取り消されると、その事業年度以後に生じた赤字を翌期以降に繰り越して将来の所得と相殺することができなくなるなど、影響は長く続きます。1期遅れただけで直ちに取り消されるとは限りませんが、2期続けて遅れないことが重要です。

4. 融資や取引への影響

金融機関の融資審査では、直近の決算書と申告書の控えを求められるのが通常です。申告が済んでいないと、融資の申込み自体ができないこともあります。補助金や入札の申請でも、納税証明書の提出を求められる場面があります。

赤字でも申告は必要です

「赤字だから税金はかからないので、遅れても問題ない」と考える方がいますが、法人は赤字でも申告義務があります。法人住民税の均等割は赤字でもかかりますし、青色申告の取消しの問題は赤字かどうかに関係ありません。

期限を過ぎたときに今からやること

  1. 決算書と申告書を作る:帳簿が途中でも、通帳・カード明細・領収書があれば作れます。まずは資料を集めることから始めます。
  2. できるだけ早く申告する:税務署から連絡が来る前に自主的に申告することで、無申告加算税が軽くなります。本来の期限までに税額を納めていた場合は、期限から1か月以内に申告すれば加算税がかからないこともあります。
  3. 税金を納める:延滞税は日数に応じて増えるため、申告と同時に納付するのが基本です。一度に納められない場合は、税務署に納付の相談をすることもできます。
  4. 次の期限を確認する:遅れた期の申告が終わったら、次の決算期の期限を確認し、2期続けて遅れないよう準備します。
実務でよくあるケース

前の税理士が廃業した、連絡がつかなくなった、という理由で期限を過ぎてから相談に来られる方がいます。その場合、前期の申告書の控えと、期首時点の残高がわかる資料(前期の決算書など)があれば、引き継いで作成できます。控えが手元にない場合も、税務署で閲覧できることがあります。

何期分もたまっている場合

数期にわたって申告していない場合でも、さかのぼって申告することはできます。古い期から順に作成していくのが基本です。期間が長いほど延滞税や加算税の負担は増え、続けて無申告だと加算税が重くなる仕組みもあります(調査の通知前に自主的に申告すれば、この加重はかかりません)。「いまさら」と思わず、気づいた時点で動くことが一番の負担軽減になります。

事業を実質的にやめている場合は、解散・清算の手続きも合わせて検討します。休業の届出を出しても、法人が存続する限り申告義務自体はなくならない(均等割の減免を受けられる自治体はあります)ため、放置すると申告義務だけが毎年続きます。

期限後申告は税理士に頼むべきか

期限後申告は、通常の申告に加えて、加算税や延滞税の扱い、青色申告の取消しのリスク、場合によっては複数期の処理が加わります。帳簿ができていない状態から短期間で仕上げる必要もあり、自分でやるより専門家に任せた方が早く確実です。

当事務所は、期限後申告のご依頼もお受けしています。法人の決算・申告をスポット・オンラインで扱い、基本料金は35,000円(年商500万円以下の法人)から、年商や仕訳の件数に応じた加算方式です。期限後申告は加算になる場合がありますので、資料を拝見したうえで、作業前に内訳つきでお伝えします。

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自分で申告するか迷っている方は「法人の決算は自分でできる?やる場合のリスクと税理士に頼む境目」もあわせてご覧ください。

よくある質問

税務署から連絡が来る前に申告した方がよいのはなぜですか?

税務署から調査の通知を受ける前に自主的に申告すると、無申告加算税の割合が5%に軽減されるためです。調査の通知を受けた後の申告では、調査による決定を予知する前であっても10%(税額が多い部分は15%・25%)、調査を受けた後では15%(同20%・30%)となり、負担が大きく変わります。

期限を1週間過ぎただけでも加算税はかかりますか?

期限から1か月以内に自主的に申告し、法定納期限までに納付しているなど一定の要件を満たせば、無申告加算税は課されません。要件を満たさない場合は課されます。納付が本来の納期限より遅れた場合は、その日数に応じて延滞税がかかります。

帳簿をまったく付けていなくても期限後申告はできますか?

できます。通帳・クレジットカードの明細・領収書・請求書などから帳簿を作成し、決算書と申告書を作ります。資料がそろっているほど早く仕上げられます。

まとめ

法人の申告期限を過ぎても、期限後申告はできます。遅れるほど延滞税が増え、2期続けて遅れると青色申告の承認が取り消されることもあります。税務署から連絡が来る前に自主的に申告すれば加算税は軽くなるため、気づいた時点でできるだけ早く動くことが大切です。

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税理士 澤田大志

税理士 澤田 大志

澤田大志税理士事務所 代表。近畿税理士会 枚方支部所属(登録番号149197)。京都大学経済学部卒。オンライン専門の税理士事務所として、年間300件を超える法人の決算・確定申告を行っています。