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暮らし 2025.05.07

不動産投資で減価償却を利用した節税方法を解説

公開日:2025年5月7日(最終更新:2026年10月26日)

「減価償却」の文字と数字の書かれたコイン、電卓(不動産の減価償却)

不動産投資をするなら、減価償却をうまく利用して節税するのがポイントです。「減価償却」とは、建物の価値を毎年少しずつ経費として計上する仕組みのこと。これを使えば、課税所得を抑えて税負担を軽減することができます。

減価償却とは

不動産は時間が経つにつれて価値が減っていくと考えられています。そのため、建物の購入費用(土地は対象外)を一度に経費にするのではなく、法定耐用年数に応じて毎年少しずつ経費として計上します。例えば、住宅用の建物の耐用年数は、木造が22年、鉄筋コンクリート造が47年と決められています(事務所や店舗用は年数が異なります)。これに基づいて毎年一定額を経費として計上することで、所得税や法人税を抑えることができます。

減価償却を活かす3つのポイント

法人化すると、償却額を調整できる

個人の場合、減価償却費は計算どおりの金額を必ずその年の経費にしなければなりません。一方、法人は償却限度額の範囲内であれば、その年にいくら計上するかを決められます(任意償却)。例えば利益が少ない年に償却を抑えて翌期以降に回す、といった調整ができます。ただし限度額を超えて計上することはできず、償却を抑えると決算書の利益は増えるため、融資の見え方も含めて判断が必要です。

中古物件は「見積耐用年数(簡便法)」で短く償却できる

中古物件は、法定耐用年数ではなく、取得後の使用可能期間を見積もった年数(見積耐用年数)で償却できます。実務では次の「簡便法」で計算するのが一般的です。

  • 法定耐用年数をすべて経過した物件:法定耐用年数×20%
  • 一部経過した物件:(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%
  • 1年未満の端数は切り捨て、2年未満になる場合は2年

例えば築20年の木造アパート(法定22年)なら、(22-20)+20×20%=6年で償却できます。築22年を超えていれば22年×20%=4年です。この計算は購入して使い始めた年(事業年度)に行う必要があり、購入時に大規模な改修を行って、その費用が購入価格の50%を超える場合は簡便法は使えません。

建物附属設備は建物と分けて償却する

建物だけでなく、エレベーター(17年)や給排水設備(15年)、冷暖房設備(13年または15年)などの建物附属設備は、建物本体より短い耐用年数で償却できます。中古物件を一棟で購入した場合も、売買契約書の内訳や見積書など合理的な根拠で建物本体と区分できれば、早く経費化できます。なお、2016年(平成28年)4月以降に取得した建物附属設備は、建物と同じく定額法で償却します。

注意点:資金繰りと売却時の税金

償却が終わると資金繰りが厳しくなることがある

ローンの元本返済は経費にできないため、減価償却が終わると税金が増え、返済が続いて資金が厳しくなることがあります。減価償却が終わる時期を計算し、キャッシュフロー(資金の流れ)をしっかり管理することが重要です。中古物件を短い耐用年数で償却した場合は、この時期がその分早く来ることにも注意が必要です。

売却時の税金が増えることがある

減価償却を進めると建物の帳簿価額(取得費)が下がるため、売却時の利益が大きくなり、売却時の税金が増える可能性があります。個人の場合、売却益は「譲渡所得」として他の所得と分けて課税され、売った年の1月1日時点で所有期間が5年以下なら約39.63%、5年を超えていれば約20.315%(所得税・復興特別所得税・住民税の合計)です。このため個人では長期保有を検討するのも一つの戦略です。一方、法人の場合は売却益も他の所得と合算して法人税等がかかり、所有期間による税率の違いはありません。

まとめ

減価償却をうまく利用すれば、不動産投資の税負担を軽減し、キャッシュフローを改善することができます。特に、法人化・中古物件の見積耐用年数(簡便法)・建物附属設備の区分を意識すると、より効果的な節税が可能になります。不動産投資を成功させるために、減価償却の仕組みをしっかり理解し、戦略的に活用していきましょう。

※減価償却費は、個人は必ず計上する(強制償却)、法人は限度額の範囲内で計上額を決められる(任意償却)という違いがあります。本記事の耐用年数・税率は2026年10月時点の法令に基づいています。根拠:国税庁タックスアンサー No.5404 中古資産の耐用年数・No.2100 減価償却のあらまし

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税理士 澤田大志

税理士 澤田 大志

澤田大志税理士事務所 代表。近畿税理士会 枚方支部所属(登録番号149197)。京都大学経済学部卒。オンライン専門の税理士事務所として、年間300件を超える法人の決算・確定申告を行っています。